ベンドメカとは
2016/07/01
ベンドメカとはベンド、つまり商品を売るためのメカニズムのことです。
より細かく言うと商品を売る際に排出する個数を制限する機構、要するに1つずつ商品を出すために必要な機構ということになります。
言うまでもないことですが自動販売機は人が中に入っているわけではありませんから、商品の排出に関しても機械で管理をしなくてはなりません。
商品の排出に関しては重力を利用しており、機械の中で積み重なった缶やペットボトルを落として利用者は自動販売機下部の商品取り出し口から買った商品を取り出すことになるのですが、重力を利用する性質上、どこかで商品を支えていないと勝手に商品が排出されてしまうことになるでしょう。
ベンドメカはそれを防いで商品を支えるために搭載されているわけです。
おおまかな仕組みとしては商品を保管するラック1つに対してベンドメカ1つが取り付けられており、商品のボタンが押下されたことが確認されるとまず最下段の商品を挟むような形になっているストッパーのうち上側が下から二番目の商品を抑え、下から二番目の商品が抑えられている間に一番下の商品を支えているストッパーが外れる形になります。
これによってストッパーが外れた一番下の商品は取り出し口に落ちて、下から二番目の商品はストッパーで支えられて排出されないことになり、1つずつの商品排出が実現されるのです。
ベンドメカのお役立ち情報について
古い自動販売機は時折「一度ボタンを押しただけなのに商品が二つ以上出てきた」というトラブルが発生することがありますが、このトラブルの原因の大半はベンドメカの故障によって上側のストッパーがうまく動作出来なくなっていることにあります。
下側のストッパーが動作しない場合には商品そのものが一切排出されないか常に商品が出てきてしまうことになりますからトラブル発生がわかりやすいのですが、上側のストッパーが動作しない場合にはボタンを押さない限り異常が発生しないためトラブルの発覚が遅れてしまいやすいのです。
また利用する顧客からしても
「お金をいれたのに商品が出てこない」
という場合は即座にクレームを出しますが、
「お金をいれたら商品が二つ出てきた」
という場合はクレームを出さずに黙っていることの方が多いでしょう。
従って商品の売り上げと在庫数が合わず、それがいずれか1つのラックで発生しているのであればそのラックに取り付けられたベンドメカの故障が疑われます。
この機構は自動販売機に採用されている機構の中でも特に酷使をされる箇所となっていますから、もしフルオペではなくセミオペで自動販売機を運用している場合にはこまめな点検が必要です。